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緋の覇王◇舞台設定/世界観

●舞台設定/世界観


遠い遠い昔、人々がまだ妖精や魔物たちと共に暮らしていた頃の物語。
世界は光と闇の中で混沌としていた。天空を舞う飛竜と、大地を揺るがし引き裂く魔鉱石の力。

中世ヨーロッパを基盤にしたファンタジー戦記物語。緋の大陸を友愛と平和の名の元に統治していたロックフォードの国王・セルジュールの突然の崩御により、同盟国だったレイスシャーネ、ヴィヴィアーナ、アステリア、フレイロッドの五国間では互いに覇権争いが幕を開け、世界は戦乱の真っ只中にあった。諸国の国境では頻繁に戦や焼き討ちが繰り広げられ、関係のない多くの領民が巻き添えを喰って死んでいった。民衆は再びの平和の訪れを渇望したが、未だその光の兆しは見えていない。

緋の大陸はユーラシア大陸ほどの大きさで、西端からロックフォード、アステリア、フレイロッド、レイスシャーネ、東端にヴィヴィアーナがある。現在、世界の覇権を握っているのはロックフォード。主人公・ランスの住むガルディスの村はヴィヴィアーナでも最東端に位置する。各国の領民の貧富の差は大きい。城の王族や貴族などの特権階級を頂きに、騎士、商人、芸術家、修道士、錬金術士、鍛冶士、魔術士などは厚く遇されていた。中には男爵以上の爵位を与えられる者もいる。何処の王族や貴族も大金を叩いても名の知れた名士を自分のところに召抱えようと躍起になっていた。一方、農民は各村の村領主の下で農耕や放牧、織物などの産物を租税として国に納めて貧しいながらも逞しく生きていた。

各国とも森林に囲まれていて河川や湖沼が多く、山々や草原が大半である。都の周辺を囲むように農村などの村々が点在していて、その遥か外側には国境の砦があった。都の周りはぐるりと城壁で囲まれてその中はかなり広く、まだ森林や幾つかの村や町が点在する。城下まで行くと、城を囲むようにして王族や貴族の館やその他の身分を保証されている者の館があり、それ以下が一般の町になっている。宿屋や盛り場、薬屋やパン屋など様々な商売をしている店が軒を並べ、野菜や果物、肉や魚などを売る市場も出ていた。この世界の通貨はフランで、金貨や銀貨を使用している。町や村の治安は一般的に悪く、場所によっては妖獣や山賊の襲撃を受けたり人買いが日常茶飯事に横行している。特に妖獣や巨獣の被害は大きく、様々な「退治屋」を生業にしている者や集団までもがいた。

森には動物の他に精霊や妖獣などが棲み、時には人間を助けたり害を成したりしながら共に暮らしていた。フェアリー族やエルフ族、ドワーフ族などが代表的なもの。特にエルフ族は小人型のアルーヴ族から人間と同等の姿をしたものまで多様な種族が多いが特徴は尖った大きな耳である。エルフ族やドワーフ族はひとつの村や町を作って人間同様の生活をしている者も多いが、エルフ族の中には人間の村や町で人間と共に生活をしている者も少なくない。人間とエルフ族の間に生まれた子孫はハーフリングと呼ばれる。ロックフォードの国王・セルジュールの時代は容認されていたが、一部の王族や貴族の間ではエルフ族を下劣な生き物と蔑む風潮があり、「ハーフリング狩り」や「エルフ狩り」へと発展していた。現在のロックフォード政権ではこれを奨励している。エルフ族の中には、自分達を護る為に武装をはじめた者達もいた。

緋の大陸では「黄金色」は高貴な色とされ、王族や貴族などの特権階級にしか許されなかった。身分の低い者が「黄金色の髪」を持つことは国家への反逆大罪であるとして、抹殺処刑か或いは奴隷として徹底服従させていた。奴隷となった者は一生逃れることは叶わず、王侯貴族の下僕となり果て金銭で売り買いされる。この他にもいくつかの悪法と呼ばれる掟はセルジュール亡き後にロックフォードから発令されたものだが、十七歳の若き新国王は傀儡同然であり周りの第二王妃や枢機卿以下の腹黒い旧勢力を抑え込むことが出来なかった結果である。ロックフォードの都、アルフェルドではこの旧勢力のやり方に対抗すべく新勢力が水面下で熾烈な派閥争いを起こしていたが、悉く旧勢力によって粛清されてきた。一方、このことが引き金で諸国にも身分の上下に関係なく旧勢力のやり方に不満を抱く者が増えはじめていた。

各国の軍隊は騎馬軍と海軍が主流である。騎馬軍は多くの騎士団や傭兵団から構成されていて、その下には各団の歩兵隊がいる。海軍も騎士団と傭兵団から構成されてはいるが、傭兵団が圧倒的に多く特に荒くれ者が目立つ。騎馬軍が陸地の戦や遠征、国境の護りを務めるのに対して、海軍は海上での戦や遠征、海辺の護りの任を主としていた。時には領土内に現われる妖獣や巨獣、山賊や海賊などの攻撃にも両軍は出兵した。騎士団は王族や貴族などある程度身分のある者達で構成されていたが、傭兵団は平民や農民など身分の低い者や山賊上がりのようなごろつき者が生活の為に報酬目当てで加わることが多かった。武勲を挙げた騎士団や傭兵団は名が知られ、より身分の高い王族や貴族に大金で召抱えられる。全軍を指揮するのは将軍や元帥で、その下には幾つかの隊に分かれて総隊長や提督が、またその下に各騎士団や傭兵団の総団長や団長がいる。
城内の護りは殆どが剣の腕の優れた近衛隊が務め、その中でも精鋭の者が選ばれて国王や王太子などの親衛隊になる。

この世界の戦い方は剣や槍や弓矢などで戦う方法と、魔力を帯びた「魔鉱石」を装備して戦う方法、「魔鉱石」の魔力を向上させて魔物や守護神(ガーディアン)を召喚して戦う方法がある。「魔鉱石」は特定の剣や武具に嵌め込んで使うことも出来る。「魔鉱石」を持つ者は「魔鉱使い」と呼ばれ、戦場では恐れられていた。「魔鉱石」は魔道士や錬金術士が作り出したものが多く、特定の魔法が使えるようになる他には飛竜などの巨獣や妖獣を操ったりすることも出来るなど種類によって様々である。しかし、精製の過程で何らかの命ある者の「生」が犠牲になっていることを忘れてはならない。魔道士は「天空の砦」で修行した者が多く、一般的には白魔道士となるが、中には邪悪な黒魔道士になる者もいる。
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